あなた:
インピーダンスマッチングにおいて、出力、入力側以外に伝送路のインピーダンスがありますが、それって基板設計における例えばGNDプレーンと信号線までの距離とかで決まってくるRLC回路的なインピーダンスを合わせていくというようなイメージであっているんですかね。
はい、その理解はかなり本質を突いています。
以下に少し詳しく分解して説明します。
まず大前提として、インピーダンスマッチングとは、信号の反射を防ぐために、送信側(出力)、伝送路、受信側(入力)のインピーダンスをできるだけ一致させることです。
特に高速信号や高周波信号では、反射によって信号が乱れるため、インピーダンスの不一致が問題になります。
ここがご質問のポイントですね。
はい、伝送路のインピーダンスは以下の要素で決まります:
信号線の幅(W)
信号線とGNDプレーンの距離(H)
基板の誘電率(εr)
信号線とGND間の構造(マイクロストリップライン or ストリップライン)
これらは結果的に**分布定数回路(distributed RLC)**とみなせる構造になります。
つまり、信号線をL、C、Rの無限に連なる回路としてモデル化し、その特性インピーダンス(Characteristic Impedance, Z0)を設計する、ということになります。
例として、簡略化されたマイクロストリップラインの特性インピーダンス:
Z0≈εr+1.4187⋅ln(0.8W+T5.98H)H:信号線とGNDプレーンの距離
W:信号線の幅
T:銅箔の厚み
εr:基板の誘電率
基板設計でZ₀ = 50Ωになるように設計(典型的には)
終端抵抗で合わせる(例えば、受信側に50Ωを入れて反射防止)
AC結合/DCバイアス用のコンデンサ・インダクタを挿入して整合させる場合もあり
それって基板設計における例えばGNDプレーンと信号線までの距離とかで決まってくるRLC回路的なインピーダンスを合わせていくというようなイメージであっているんですかね。
→ はい、非常に正確です。
インピーダンスマッチングは、「信号が伝わる経路全体のRLC特性(≒分布定数回路)を調整して、特性インピーダンスが一定になるようにする」ことです。そのため、物理設計(幅、距離、材料)=電気的特性として扱うのが本質です。
必要があれば、具体的なスタックアップ例やCAD設計時の考慮点についても解説できます。