このモデルを作った動機とか
最近、Intel Arc A770 LE を2枚で動かし、VRAM 32GB 環境で、SYCLを使って llama.cpp によるローカル LLM 環境を試してみている。
そこで、しばらく使っていると PC 自体が落ちてしまい、しばらく一時間ほど PC が使用不能になるという問題があった。色々試してみたところ、原因としては2枚のうち、1枚の GPU の吸気が Proliant ML 150 Gen9 の PCIe x16 の配置と、Intel Arc A770 LE の作り的に窒息していることがわかった。慢性的な冷却不足に陥り、ヒートシンクなどの熱容量を使い切ると、熱くなりすぎて保護が動作し、PC が落ちてしまうことがわかった。
この問題を解決するために、1枚の GPU を移動させることで解決させたいと思った。ただ単に PCIe を延長するだけでは、固定されていない状態で、GPU を壊してしまう恐れがあるジャンクなセットアップになってしまう。そこで 3D プリント可能なモデルを作ってみた。
ダウンロード
今回は Blender ではなく、OpenSCAD というソフトウェアを使ってモデルを作成した。モデルの大きさを 10 倍とかにする必要はなく、Cura で読み込めばそのままののサイズのままで印刷できるはずである。
印刷環境
印刷環境についてはいい加減であり、反り返ったり糸引きなどをしても、最終的に形になって十分な強度が出て使うことができればよしとしている。よって、各自自分の環境や好みに合わせて調整する必要があり、以下は参考程度である。
- Ender-3 Pro
- 中華系列の安価な PETG フィラメント
- ホットエンド温度 245℃
- ベースプレート温度 65℃
- のりは塗っていない
- ガラスプレート
- 印刷時間が 17 時間程度になる速度 (印刷速度は厳密には管理していない)
3D モデルpreview
画像
モデル参考画像
全体像
いろんな視点からみた様子
見たい人はどうぞ
実際に取り付けてみた様子
取り付けには、ホームセンターで購入できる M4 のボルトナットなネジ 30 mm を 8 本使っている。PCIe 延長ケーブルには厚みがあり、そのまま取り付けようとすると基盤が歪んでしまうため、PCIe 延長ケーブルとマウンタの間にもボルトを挟み固定している。(ネジの本数よりボルトが多く必要な点に注意) 3D プリントの印刷物との間にはワッシャーを入れ、負荷が分散する必要がある。
以下の写真ではテストフィットとして、生贄である GTX960 (今の iGPU のほうがよほど高性能であろう) を取り付けた様子である。また、マウントした状態で HDMI や DisplayPort ケーブルなどを挿せるように空間を作って工夫した。(以下3枚目の画像を参照)
以下の写真では実際に使ってみてみる様子の写真である。写真を取るのが下手くそすぎて映りが悪いが。まあ普通に汚い PC ケース内部晒してどうするの?って思ったりしたけど気にしないことにした。あと Intel Arc A770 LE を2枚も買っている身ではあるが、無駄に光るのは嫌いっていうことはある。それでも機能には関係ないので、気にしないことにしている。
結果
とりあえず縦方向にマウントすることは達成された。実際に使ってみて、マウンタ自体が強度不足で空中分解とかはしていない。
PC ケースとマウンタの間の固定には工夫が必要である。最低4本くらいのネジで、縦と横にぐらつかないように意識してネジ止めしないと、グラグラになってしまう。
マウンタで取り付けた GPU 自体は、それ以降特別な冷却とかなしに単体で窒息しているときと比べて、20℃ ほど温度が改善されたため、冷えているようである。
結局のところ通常どうり設置しているもう片方の GPU は、マウントした GPU に比べて、冷えにくい傾向がある。結局のところ Proliant ML150 Gen 9 との相性がブロアファン型ではない Intel Arc A770 LE に対して悪いらしい。しかし窒息した GPU が張り付くように並んでいるわけではないので、GPU 周囲に熱気が循環しないように、ファンを配置して熱気を吐き出すようにしたところだいぶマシになった。それでもマウントした GPU より、10℃ 前後温度が高めであり、今後もテストが必要である。
オーバーヒートによる PC 落ちが改善されたかどうかは、今後 1 ヶ月程度使ってみないことには結論は出ないと考える。
現時点での様子 (2026/7/14)
現時点では、特に静かに運用できている状態で、しばらく使ってみている。強制冷却も控えめな状態でオーバヒートによる PC 落ちもなく安定して動いている。最大負荷時がしばらく連続した状態で一番高い温度は、80℃程度であった。
ただ結局のところ一番改善されたのは、ヒートシンクの熱容量を使い切る現象を避けられるようになったことである。まずヒートシンクは触ってもやけどせず、触り続けられる程度の温度で収まっている。負荷がかかっても温度が急激に上がることや、冷やしきれないことは避けれているようである。
他に大きな変化としては、PC 周辺の空気が明らかに熱せられているのを感じられるようになったことである。これはうまく熱を周囲に放出できていることを意味していると思われる。ただそのデスクトップの近くにいる身としては、正直あまり快適だとは言えないので、体の近くには置きたくない感じである。冬場は役に立ちそう。
他の改善点としては、強制冷却が控えめなので静かに済んでいる点はあるかもしれない。
参考にしたサイトとか
特になし。